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エネルギーを制するものが投資を制す- 『TODAY IN ENERGY』( Source:https://www.eia.gov/ )より -


Title:米国エネルギー情報局は2019年及び2020年の予測米国原油生産量を上方修正


  1. 米国エネルギー情報局(EIA)はEIAが公表する経時的データとEIAの原油価格予測の主に2要因に基づき、月次毎の短期エネルギー展望(Short-Term Energy Outlook、STEO)における予測米国原油生産量を修正した。
  2. 2019年11月のSTEOでEIAは2019年の米国原油生産量を10月のSTEOよりも0.2%、日量当たり3万バレル引き上げた。
  3. EIAは2020年の予測原油生産量を10月のSTEOと比較して日量当たり0.9%、11.9万バレル分引き上げた。
  4. 11月のSTEOのそれら予測原油生産量の上方修正は主として、
    1. EIAの直近の月次原油生産量調査データに基づいたアラスカとハワイを除いた各州における8月の日量当たり約9万バレル分の生産量の上方修正。
    2. 2020年までのテキサスパーミアン地域における将来的に掘削予定の油井からの高い初期生産量。
    3. 10月のSTEOよりもやや高い2019年11月から2020年1月にかけての予測原油価格。
  5. 11月のSTEOでEIAは米国ベンチマーク予測WTI原油価格を11月については1バレル当たり2ドル引き上げ1バレル56ドルに。そして12月と1月はそれぞれ1バレル当たり1ドル引き上げ1バレル55ドル、同54ドルとした。
  6. 原油価格の変化と生産量の増減との間には6ヶ月のラグがあるとEIAは想定しており、若干の原油価格上昇もまた2020年上半期の予測生産量増加に寄与している。
  7. それら変化に伴い、今回EIAは米国原油生産量が2018年の1日当たり1100万バレルから2019年は1230万バレルに増加すると予測している。
  8. パーミアン地域の生産量はEIAの原油生産量増加予測の主たる寄与要因であり、パーミアン地域の生産量は2019年には1日あたり91.5万バレル分、2020年には同80.9万バレル分増加するとEIAは予測している。
  9. テキサスとニューメキシコのパーミアン地域の原油生産量増加は今年の初め頃に供用開始された原油パイプライン設備の拡張が寄与している。
  10. それら拡張はミッドランドやテキサスの石油輸送上の障害を緩和し、クッシングのWTI価格と比較してパーミアン地域で生産者が期待できるWTI価格の上昇を牽引した。
  11. パーミアン地域の高い相対価格はその地域の原油生産量増加を促し続けると考えられる。
  12. ノースダコタのバッケン地区は2019年において2番目に高い原油生産量増加を記録するとEIAは予測している。
  13. EIAはバッケン地区の原油生産量を2019年は1日当たり15.2万バレルの、2020年には同9.6万バレル増加すると見込んでいる。
  14. EIAはメキシコ湾沖合(Federal Offshore Gulf of Mexico)では2019年と2020年それぞれ1日当たり13.8万バレルと11.6万バレル増加すると予測している。
  15. EIAは米国全体の原油生産量は増加し続けると予測しているが、原油向けリグ数の減少を主たる要因として増加率は緩やかになると予測している。
  16. ベーカー・ヒューズによると原油向けリグ稼働数は2019年1月初めの877基から11月中旬の674基まで23%減少している。
  17. パーミアン地域のリグ数は同期間に487基から408期まで、15%減少している。
  18. 2020年8月までWTIクッシング原油価格は55ドル以下で安定すると予測しているため、生産者が設備投資を削減し掘削リグ数は減少し続け、結果として今後14ヶ月に渡り国内原油生産量の増加は顕著に鈍化すると予想している。
  19. 米国内の掘削リグ稼働数は減少するが、リグ生産性の向上による同じ数の油井を少ないリグで掘削できるため、リグ数の減少は部分的に相殺される。
  20. 加えて油井からの高い初期生産量はリグ数の減少をある程度相殺する。
  • 以上