Contents
エネルギーを制するものが投資を制す- 『TODAY IN ENERGY』( Source:https://www.eia.gov/ )より -
Title:先物市場は2020年年初における米国の多くの地域での廉価な天然ガスを示唆している
- 幾つかの主要ハブの天然ガス価格の現状展望は2020年1月および2月における、より廉価な天然ガスを予測する市場心理を反映している。
- 全般的な低価格は2つの要因から構成される。一つはヘンリーハブの天然ガス先物指標の低価格化。そしてヘンリーハブ基準価格との地域価格差の縮小化である。
- ヘンリーハブ基準価格は継続的な生産量増加のため低価格化している。
- 天然ガスのベーシススワップと先物取引は通常、ルイジアナ州ヘンリーハブでの天然ガスの先物基準価格とその他の国内集積地での天然ガス先渡価格との差を反映する金融商品である。
- 大きな差異はしばしば生産地域と市場需要との間のパイプラインの輸送過密を示唆している。
- 太平洋岸北西
- 結果として太平洋岸北西部への天然ガス輸送縮小を引き起こしたカナダのブリティッシュコロンビアにおける2018年10月のパイプライン爆発事故を受けて、米国太平洋岸北西のスーマスハブでの2019年初旬における取引基準価格は比較的高い。
- 地域へのパイプライン輸送が回復するにつれ、太平洋岸北西部での天然ガス価格は下落している。
- 2020年1月と2月においてトレーダーはスーマスハブ価格は平均して1.25ドル/MMBtu(百万ブリティッシュ・サーマル・ユニット) ヘンリーハブよりも高くなると予測している事を業界誌は示唆している。
- 2019年1月および2月、スーマスハブ基準価格は平均1.53ドル/MMBtuであった。
- シカゴ
- 2020年の1月及び2月についてトレーダーはシカゴシティゲート基準価格が2019年の同月の価格差と同様、約0.26ドル/MMBtuヘンリーハブよりも高くなると予測している事を業界誌は示唆している。
- アパラチア盆地からの大量の低コスト天然ガスは中西部に引き続き輸送されるとEIAは予測する。
- 1月と2月に暖房需要の高まりが予想されるにも関わらず、中西部への天然ガス流入増加はヘンリーハブと比較してシカゴ価格のプレミアムを制限する可能性がある。
- ニューイングランド
- ニューイングランドのアルゴンキン・シティゲート価格は高い暖房需要、高い利用率そして同地域の主要天然ガスパイプラインに対する制約のために通常冬季を通じてヘンリーハブ価格よりも相当高い。
- 2019年1月と2月のアルゴンキン・シティゲートのスポット価格はヘンリーハブよりも高く5.30ドル/MMBtuであった。
- トレーダーは2020年の1月と2月のアルゴンキン・シティゲート価格がヘンリーハブ価格よりも高い5.10ドル/MMBtuと予想していることを業界誌は示唆している。
- 南カリフォルニア
- トレーダーは昨年の冬と比較してより廉価な南カリフォルニアの天然ガスを予測している事を業界誌は示唆している。
- 2019年1月および2月のソーカル・シティゲート天然ガス価格は約2.70ドル/MMBtuとヘンリーハブよりも高かった。
- 11月中旬においてソーカル・シティゲートの2020年1月および2月の先物価格は1.66ドル/MMBtuヘンリーハブよりも高く取引されている。
- 昨年、南カリフォルニアのパイプライン運営企業は地域のパイプライン容量を増大させ、漏出事故を原因として2015年10月に縮小されていたアライソ渓谷貯蔵施設からの天然ガス採掘にカリフォルニア規制当局はより柔軟性を認めた。
- テキサス西部
- テキサス西部とニューメキシコ東部のパーミアン盆地での原油と天然ガスの継続的な生産は市場に天然ガスを供給するだけのパイプライン施設稼働能力を超えた生産に伴いパイプラインに制約をもたらした。
- パイプライン“Gulf Coast Express”の最近の完成により同地域に一日あたり20億立法フィートの掘削能力が追加され、部分的なその制約の緩和ではあるが、同地域の天然ガス生産は増加し続けている。
- トレーダーが2020年1月および2月のワハ・ハブ価格はヘンリーハブより、2019年1月と2月の平均1.57ドル/MMBtuより縮小して、1.27ドル/MMBtu廉価になると予測している事を業界誌は示唆している。