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エネルギーを制するものが投資を制す- 『TODAY IN ENERGY』( Source:https://www.eia.gov/ )より -


Title:プエルトリコの発電容量は2017年のハリケーン被害前の状態に1年で戻った


  1. 米国エネルギー情報局(EIA)の最新の年次発電設備稼働報告書(Power Plant Operations Report)によると、プエルトリコの正味発電量は2017年9月のハリケーンイルマと同マリアによる地域電力網被害前の数ヶ月と同レベルにまで1年程度で回復した。
  2. プエルトリコの発電施設、送電施設そして配電インフラ復旧のための努力によりハリケーン前のレベルの発電が可能となった。
  3. 送電及び配電システムそしてEIAの発電設備暫定月次リストによると発電容量の77%をを担い運営している政府機関であるプエルトリコ電力庁によりプエルトリコの電力は供給されている。
  4. ハリケーンイルマが2017年9月初旬にプエルトリコ近傍を通過した際、同島の150万の電気需要者の約2/3が停電を被った。
  5. 同月下旬の9月20日にはハリケーンマリアの被害を受けた。
  6. ハリケーンマリアによる被害はプエルトリコ電力庁の送配電ネットワークの80%を操業不可能の状態にし、結果としてほぼ全ての電力需要者が停電を被った。
  7. プエルトリコの正味発電量は2017年8月の157万メガワットアワーから2017年10月には27万メガワットアワーにまで落ち込んだ。
  8. 2017年11月から2018年8月にかけてプエルトリコの正味発電量は前年レベルよりも低い状態であった。
  9. 米国エネルギー省の状況報告書によると、2018年4月時点で約96%の需要者が停電から回復したが正味発電量はその後数カ月に渡り比較的低いままであった。
  10. ハリケーン直後の4ヶ月(2017年10月から2018年1月)において、石油および天然ガスによる発電量はハリケーン被害前と比較して低いままであり、石炭および再生可能エネルギーによる発電は全面的に途絶えていた。
  11. その4ヶ月間それぞれの月で全発電容量の55%から78%を石油が担い、残りを天然ガスで賄った。
  12. 石炭と再生可能エネルギーによる発電はともに2018年2月に電力網への電力供給を再開したが、その後2018年の間はハリケーン前と比較するといずれも若干低い発電量に留まった。
  13. 2018年2月から同年12月までの11ヶ月のうち8ヶ月において天然ガスが最も利用された発電燃料であった。
  14. プエルトリコの天然ガスの全てがトリニダード・トバゴ共和国から液化天然ガスとして輸入されている。
  15. ハリケーン前に計画されていた液化天然ガス施設の能力拡大は2018年5月に供用が開始され、2017年よりも天然ガス輸入量が50%増加した。
  16. 2017年および2018年それぞれにおいて5つの大規模発電所が合計でプエルトリコの正味発電量の90%を担っている。
  17. 5つの発電所のうちプエルトリコ南岸にあるアギーレ発電所を除く4つが2018年は2017年よりも多く発電している。
  18. 4つの発電所の発電量増加により石油のみを燃料としているアギーレ発電所分の正味発電量に取って代わっている。
  • 以上