Contents

エネルギーを制するものが投資を制す- 『TODAY IN ENERGY』( Source:https://www.eia.gov/ )より -


Title:2018年の米国のエネルギー関連CO2排出量は2014年以来初めて増加


  1. 2018年の米国におけるエネルギー関連二酸化炭素総排出量は2017年よりも2.7%増加し52.7億メトリックトンに達した。
  2. 増加の主たる原因は酷暑、酷寒の結果の高い天然ガス関連排出量と好調な経済を背景とした輸送関連排出量の増加である。
  3. 米国エネルギー情報局の「Monthly Energy Review」によると米国のエネルギー関連二酸化炭素排出は過去10年間で6度減少し2018年は2005年よりも12%少なかった。
  4. 石炭関連二酸化炭素排出量は2018年に4%減少し、2017年と比較して2018年の方が二酸化炭素排出量が少なかった唯一の化石燃料が石炭であった。
  5. 米国における天然ガス由来の排出は2015年に初めて石炭からの排出を超えた。
  6. 天然ガス消費量はここ最近発電所における石炭消費量に取って代わり続けている。
  7. 寒い冬と暑い夏が主たる原因で天然ガス消費と二酸化炭素排出は2018年に増加した。
  8. 天然ガスは家庭用暖房燃料および発電用燃料として最も普及している。
  9. 2018年の暖房用および冷房用需要が高かったため天然ガス由来の総排出量は10%増加した。
  10. 米国の石油消費もまた2018年に増加し、石油由来のエネルギー関連二酸化炭素排出量の1.9%増加に寄与した。
  11. 比較的強い経済成長がディーゼル燃料消費に拍車をかけ、結果として同燃料関連の二酸化炭素排出が6%増加した。
  12. 米国の総発電量は2018年に3.6%増加したが、発電による二酸化炭素排出は1.1%の増加に留まった。
  13. ここ最近、米国の発電構成は石炭から天然ガスや再生可能エネルギーにシフトしている。
  14. 天然ガスは石炭よりも単位エネルギーあたりの排出量が少なく、天然ガス燃焼発電所は通常、石炭発電所よりも発電量キロワット時当たりのエネルギー消費が少ないため、石炭から天然ガスへのシフトにより二酸化炭素排出強度が低減している。
  15. 再生可能エネルギー技術による発電も増加しており、殆どの再生可能エネルギーはその発電に際して直接的には二酸化炭素を排出しない。
  16. 米国エネルギー情報局の排出データではバイオマス燃料燃焼による排出はエネルギー関連二酸化炭素を生成するが国際協定によりエネルギー関連排出量の報告からは除外されている。
  17. 住宅および商業による二酸化炭素排出増加は主に天候が寄与している。
  18. 温かい夏では冷蔵のための電気消費が増加し、寒い冬には暖房のための電気消費が増加する(天然ガスと石油の暖房関連消費も同様である)。
  19. 住宅用途および商業用途からの二酸化炭素排出はそれぞれ7.4%、2.8%増加した。
  20. 2005年から2018年において米国経済は25%の成長を記録したが、その間の米国でのエネルギー消費は1%の増加であった。
  21. 2018年時点のエネルギー関連二酸化炭素排出は2005年と比較して12%低い。
  22. 2018年の経済成長は2005年のそれと比較して炭素集約度(carbon-intensive)が29%低く、そして米国全体のエネルギー消費の炭素集約度は13%低い。
  23. セクター毎および燃料毎のエネルギー関連二酸化炭素排出の詳細分析結果は米国エネルギー情報局の「2018年米国エネルギー関連二酸化炭素排出報告書(2018 U.S Energy-Related Carbon Dioxide Emissions report)」で確認できる。
  • 以上