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エネルギーを制するものが投資を制す- 『TODAY IN ENERGY』( Source:https://www.eia.gov/ )より -


Title:11月初旬の寒冷はPJMとMISOにおける燃料転換を促した


  1. 11月の歴史的な急激な寒さにより、アラスカとハワイを除いた48州の75%で氷点下を記録した。
  2. 今回の寒波により、PJMが運用するペンシルバニア州北東部のTetco M3 hubでは天然ガス価格が10月の平均2ドル/MMBtu以下から11月中旬の最高値5.11ドル/MMBtuまで高騰した。
  3. MISOが運用するChicago Citygate hubでは価格が約1ドル/MMBtu上昇し、3ドル/MMBtu近くに達した。
  4. これら価格上昇の結果、それぞれの地域電力卸売市場では10月下旬から天然ガス燃焼発電のシェアが低下し、石炭燃焼発電のシェアが増大した。
  5. 天然ガス燃焼発電と石炭燃焼発電の間で激しい競争のあるPJMとMISO両市場では燃料価格の相対移動はどちらのタイプの発電が運営されるかに影響を与えた。
  6. 2019年の通じて発電量増加に占める天然ガス燃焼発電の平均割合はPJMとMISOそれぞれ35%と27%であった。
  7. 今年の夏をアラスカとハワイを除いた48州の天然ガス市場は記録的な天然ガス消費、比較的廉価な天然ガス価格、石炭燃焼発電所の閉鎖そして天然ガス燃焼施設能力の向上で終えた。
  8. 10月は温暖な秋の気候であったため地域の天然ガス価格は特に安く、MISO市場の天然ガス燃焼発電量は2019年の最高値である36%に達した。
  9. しかしながらPJMとMISOの両市場の天然ガススポット価格が10月下旬には2.70ドル/MMBtu近くにまで達し、当初低かった石炭燃焼発電のシェアが増加した。
  10. PJM
    1. PJM Interconnectionは米国中部大西洋岸の各州を管轄している。
    2. 同地域の寒冷によりTetco M3 trading hubでの天然ガススポット価格は10月末の2ドル/MMBtu以下から寒さのピークに達した11月13日の高値5.11ドル/MMBtuまで上昇した。
    3. 11月9日にはPJMにおける天然ガス燃焼発電のシェアは5月以来最低となる34%にまで低下した。
    4. 反対に石炭燃焼発電のシェアは11月14日に3月以来最高となる31%まで上昇した。
  11. MISO
    1. MISOは米国中西部の殆どの地域と沿岸部の一部をカバーしている。
    2. 10月の数日間、天然ガス燃焼発電のシェアは2019年で初めて同地域での石炭燃焼発電のシェアを超えた。
    3. 廉価な天然ガススポット価格と併せて、10月14日に天然ガス燃焼発電のシェアは36%のピークに達した。
    4. 天然ガス価格が2ドル/MMBtuを下回った事と風力発電量が増加したため、炭燃焼発電のシェアは反対に10月12日には石25%にまで低下した。
    5. しかしながら11月には風力発電量の減少と天然ガス価格高騰のため 石炭燃焼発電の経済合理性がより高まった。
    6. Chicago Citygateの天然ガススポット価格は10月の平均価格よりも1ドル/MMBtu高い3ドル/MMBtu近くにまで上昇した。
    7. 天然ガス価格高騰の結果、天然ガス発電シェアは11月10日に8ヶ月間の最低となる22%にまで低下した。
    8. その間、石炭発電シェアは10月の平均約32%から11月13日までの11月の平均38%にまで上昇した。
  • 以上