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エネルギーを制するものが投資を制す- 『TODAY IN ENERGY』( Source:https://www.eia.gov/ )より -


Title:運用コストの高騰に関連して閉鎖した米国の石炭発電所


  1. 2011年にピークとなる318ギガワットを記録して以降、米国石炭燃焼発電能力は幾つかの石炭発電所の閉鎖後、2017年には257ギガワットへと低下した。
  2. 米国エネルギー情報局(EIA)は 年間エネルギー展望(AEO)のモデル向上のためSargent & Lundyと共にによる研究を行った。
  3. 研究結果は発電所閉鎖と発電所運営維持コストとの関係を示唆している。
  4. 報告書によれば2018年までに閉鎖した割合は高コストの発電所の方が比較的低コストの発電所よりも高かった。
  5. 比較的長期に渡る低価格天然ガスにより、天然ガス発電所は石炭燃焼発電所に対して競争力が高まり、結果として石炭燃焼発電能力の全体的な縮小をもたらした。
  6. 利用の低下は結果として運用利幅の低下、コスト吸収余地の縮小等、発電所の歳入を減少させ多くのケースで発電所が閉鎖される。
  7. 研究の基礎資料としている米国連邦エネルギー規制委員会(FERC)の電気施設年間報告書(Form 1)に全ての発電所の変動運用維持コストが報告されていないためEIAの分析は米国の石炭発電所全体をカバーしていない。
  8. 2008年には米国の石炭発電所の約55%がForm 1データを報告している。
  9. EIAはそれら石炭発電所を平均運用維持コストに基づき3つのグループに分類した。
  10. メガワットアワー当たり28ドルから40ドルのグループを高コストグループ、同20ドルから26ドルは低コストグループ。
  11. 2008年から2017年までの石炭発電所全体のほぼ平均である同26ドルから28ドルを中間グループ。
  12. 一般的に低コストグループはより多く稼働される傾向にあり、結果として設備利用率が高い。
  13. 設備利用率は発電能力に対するパーセンテージとして発電所電力出力を反映している。
  14. 天然ガス価格低下と石炭利用縮小の結果、石炭燃焼発電所の設備利用率は2008年の75%から2017年の54%へと低下した。
  15. 高コストグループの稼働石炭発電所の設備利用率は2008年の75%から2017年には47%であった石炭発電所全体の平均よりも低下している。
  16. 天然ガス価格の価格競争力の高まり、より先進的な天然ガスコンバインドサイクル発電所、そして天然ガス発電所の効率向上により、EIAは特に今後10年に石炭燃焼発電所の閉鎖が増加すると予測する。
  17. AEOの参考事例予測によると石炭燃焼発電所の約90ギガワット分が2019年から2030年に閉鎖される。
  18. 2019年から2030年に高コストグループのユニットの66%と低コストグループの36%と比較してはより多く閉鎖されるであろう。
  • 以上